2025/08/18 22:01
まだ冬の気配が残る2月、茶色やえんじ色の葉をまとった木々に囲まれた道を進み、東京都檜原村へ。吐く息が白くなる寒さの中、川のせせらぎに導かれるようにたどり着いたのは、今回の会場「Village Hinohara」でした。
Village Hinoharaは、東京の大自然にある会員制のワークインレジデンス(コワーキング&宿泊施設)であり、流域循環コミュニティです。街から川を遡り山の中へ――自然に親しみ、地域とつながりながら、新しい働き方や生き方を探る “ヴィレッジング” の場。ここでは「Villaging Work」として、野良仕事や山仕事、地域と関わるワークショップが日々行われています。

その一環として今回企画したのが、ヒンメリワークショップ。檜原村で大切に育てられたライ麦を用いて、自然の循環やこの土地ならではの空気を感じていただきたい――そして、完成したヒンメリを持ち帰ることで「檜原村を暮らしに飾る」体験をしていただきたい、という想いから生まれました。
集まった皆さまと、まずはヒンメリの始まりについてお話しします。檜原村とヒンメリを結んでくださった清田さんからのエピソードも交え、会場はやさしい空気に包まれました。


1階には大切に保管されていた長さ180センチものライ麦の束。初めて見る方からは「こんなに長いんですね!」と驚きの声が上がります。経年で飴色に変わり、艶をまとった麦わらは、それ自体が美しい存在感を放っていました。



カットしたライ麦を手に2階へ戻り、ヒンメリづくりがスタート。糸と針で麦わらを繋ぐシンプルな作業ですが、角度や長さで表情は無限に広がります。今回は檜原村の木々をイメージしたレシピ。皆さん真剣に向き合いながら、自分だけのかたちを編み上げていきました。
ヒンメリは飾るものですが、つくる過程そのものが心を整えてくれます。無心に手を動かすうちに、自然と集中が深まり、仕上がった瞬間には笑顔がこぼれます。





完成後はコーヒーと北欧のお菓子で「FIKA」を。川の音と山の空気が混ざり合うVillageで、心と体が解きほぐされていくようでした。
檜原村の自然を思い出しながら、自分で作ったヒンメリを暮らしに迎えていただけたら嬉しいです。


